昭和ポップスって、情景が浮かんでくるところが本当に好きです。
ここでは、何度も繰り返し聴いた思い出の一曲を、 完全に趣味として、好きなフレーズや作り手の魅力と一緒に振り返ります。
中山 美穂 『C』
- デビューシングル『夏・体験物語』主題歌
- リリース:1985年6月
- 作詞:松本 隆
- 作曲:筒美 京平
大人の階段を上る
アイドル → アーティスト → 女優へ。
中山美穂さんは、アイドルとしてデビューしましたが、 アーティストとして評価され、さらに主演女優としても活躍するなど、 着実にステップアップした人だと思います。
そして私は、角松敏生さんがプロデュースした 「You’re My Only Shinin’ Star」を聴いたとき、 彼女に“大人の足音”を感じました。
ドラマ『眠れる森』で見せた表情は、もう“アイドル”ではありませんでした。
少女から大人の女性へ。 大人の階段を上る姿を見せてくれました。
中山美穂さんは私にとって、今でも 「きれいなお姉さん」の象徴のような存在です。
トパーズの月明り、水晶の波……
『C』の歌詞には、
- トパーズ
- 水晶
- ガラス
- 星
- 銀河
とにかくキラキラした言葉が散りばめられています。
デビュー曲らしい初々しさがありながら、 どこか現実と夢の境目が漂う、幻想的な曲です。
私はこの曲を聴くたびに、
- 初恋への憧れ
- 大人になることへの期待
そんな気持ちが、キラキラした言葉によって描かれているように感じます。
で、「C」って結局なに?
この曲、比喩表現が多すぎて想像力が忙しい。
てのひらにもぎたてのリンゴを隠して
直前でTシャツ脱いで入り江に走っているんですよ。
そりゃ“リンゴ”も意味深になりますよね。
ピアノのように優しく弾いて
これもまた、文学的エロスの香りがふわり。
こんなこと言われたら、もうどうしたらいいのか(汗)。
誰が最初に 大人への階段を登るかなって
「大人への階段」、想像をかき立てますよね。
松本隆さんの歌詞って、 “はっきり言わないのに全部伝わる” もうテレパシーですよね。
「C」から始まる私の未来
若い頃は、ABCの「C」だろうと単純に思っていました。 沖田浩之さんの『E気持ち』と同じ意味の「C」です(笑)。
けれど今は、正解がわからないからこそ良いと思います。
松本隆さんの歌詞は、説明しすぎず、 聴き手の想像にそっと委ねる余白があります。
その余白に、自由な言葉を入れてしまえばいいんです。
曲は聴くだけじゃなかった
この曲を聴いていると、 もしかしたら曲というのは、 作詞家と作曲家と歌手だけでは完成しないのではないかと思うのです。
- 松本隆さんが歌詞を書く
- 筒美京平さんがメロディに乗せる
- 中山美穂さんが歌う
- 最後に、聴き手が想像力を加える
「もぎたてのリンゴ」とは何か。 「大人への階段」とは何か。 「C」とは何か。
その解釈は、聴く人の数だけあっていい。
曲は聴くだけではなく、 参加して楽しんでもいい。
そんなことに気付かせてくれた曲でした。
Bonus Track
中山美穂のデビューといえば、 C-C-B『Romanticが止まらない』が主題歌の ドラマ『毎度おさわがせします』ですよね!
『Romanticが止まらない』 またしても松本隆×筒美京平のタッグです。 この曲もホントいい曲!
アイドル時代は 『ツイてるね ノッてるね』 『WAKU WAKUさせて』 など、アップテンポな曲が多かったですね。
歌詞から情景が浮かぶ曲としては、 『生意気』、『派手!!!』もオススメですよ!
その後、ドラマ全盛の時代には 『遠い街のどこかで…』 『世界中の誰よりきっと』 『ただ泣きたくなるの』 など、主演女優と主題歌を両方兼ねた曲も大ヒット。
ドラマ主題歌のCDをレンタルして、 カセットテープに録音して、 カーステレオで何度も聴いたな〜。
彼女の後ろ姿を追いかけるように、
大人の階段を上った私でした。


